以前、バロンドール受賞者ジョージ・ウェアの取材が実現したとの日記を書きましたが、その取材が掲載される本のなかでメインで取材を行っているのが“海外リーグ所属経験のある日本人選手”たちです。
ほかの仕事の合間をぬって僕が同行できた取材だけでも、前園真聖さん(ブラジル&韓国)、城彰二さん(スペイン)、松原良香さん(スイス、ウルグアイ、クロアチア)、福田健二さん(パラグアイ、メキシコ、スペイン)、木村哲昌さん(ニュージーランド)、谷川烈さん(アメリカ)、和久井秀俊さん(スロベニア、オーストリア)……と素晴らしい豪華メンバーとお会いすることができました。彼らは皆一様に精悍な顔つきで、海外組特有と言っても良い独特のオーラをまとっていました。
“日本代表待望論”がサッカーファンのあいだで広がりつつある福田健二さんなんかはちょうど先週の『情熱大陸』にも出演されていたので、サッカーファンでなくても「あー、知ってる知ってる!」という方もおられるのではないでしょうか。
サッカーの各国リーグには万国共通(例外はドイツやシンガポールなど)で外国人枠が存在します。すなわち、外国人=助っ人であり、国内の選手よりもやれて当たり前。まさにJリーグにおけるブラジル人選手と同じ活躍が求められるわけです。
想像してみてください。初めての海外生活、言葉は通じず、衣食住にも戸惑い、そして本業のサッカーでは結果を出して当たり前で出せなければ罵倒を浴びせられる日々。こんな環境の海外で生き抜く日本人の猛者たちが手に入れたものはなにより強靱なメンタルであり、いまの日本サッカーに欠けているものこそ、まさにこのメンタリティであると感じます。そりゃあプロリーグのある国には必ずブラジル人選手がいると言われるブラジルが強いわけです。
近い将来、日本が本気でワールドカップ制覇を目指すのであれば、もっともっと多くの選手が世界へ飛び出し、監督もスタッフもメディアもどんどん世界に飛び出し、そんな彼らがさまざまな経験を日本に還元する。そして日本はそれを学び、良いものを取り入れ、日本独自の新しいなにかを生み出す。それを何度も何度も繰り返すことによって“経済大国ニッポン”はいずれ“サッカー大国ニッポン”としても名を馳せることができるのだと思います。
追伸:幼い頃から散々呼び捨てで呼んでおきながら、一度会ってしまうと“さん”付けで呼んでいるあたりが僕の小心っぷりを露呈してます。苦笑。