という肩書きは対外的にはメリットが大きい。肩書きをつけて紹介されたとき、名刺を渡したとき、みんなが注目し、一目置いてくれる。もう金髪の生意気な若僧という第一印象から入らなくて良くなった。これまで常に意識し続けてきた「なめられちゃいけない!」という強い思いもそれほど必要なくなったのかもしれない。
とはいえ社内的には大いに自分の仕事が浸食される。日中はほとんどなにかしら全体の仕事に追われている。これまで頑なに専門性と自分だけの世界にこだわってやりたくない仕事にはあからさまな嫌悪感を表してきた自分にとってこの環境は正直辛い。日々「なんで俺が…」という言葉を何度も飲み込む。「お前が編集長だから」と自分で乾いたツッコミを入れて気持ちの高まりが治まるのをやり過ごす。そして「あ。俺やりますよ」と笑顔で答える。
ここで投げ出すべきじゃない。
このまま少しずつ要領をつかんで、会社の求める中間管理職を無難にこなしながら、会社の利益に貢献しながら、自分のやりたい仕事も妥協なく進行することができれば、間違いなく成長するはず。
ここで投げ出すべきじゃない。
バレンタインに小田和正のベストCDをもらった。どれも良い曲だ。心に染みる。