ライカールト本作成時にぶつかった一番の大きな壁はオランダに関するものでした。元々の原著がライカールトのバルセロナ監督時代にスペイン語で書かれたものであり、当然、僕はスペイン語のスペシャリストに翻訳を依頼しました。すると翻訳を進める上で問題になったのが、日本語のどんな文献やネットを検索しても日本語読みが出てこないオランダの固有名詞。それはたとえば町の名前や川の名前やアマチュアのチーム名などでした。
残念ながら僕にはオランダ人やオランダ語を話せる友人がおらず、それなりの数の不明な固有名詞があるため(自分にとっては他人である)友人の友人を頼るのも申し訳ない、プロに仕事として発注するのも訳者の立ち位置や予算的にできれば避けたい。
そこで最初に頼ってみたのが在オランダ日本国大使でした。が、無反応。
そして次にダメ元で連絡をしてみたのが在日本オランダ大使。すると今までの苦労がまるでウソのように、報道・文化担当官のヴァルクスさんから迅速で丁寧なご回答をいただくことができたのです。
そして今日はそのライカールト本で多大なご協力をいただいたオランダ大使館へご挨拶に伺ってきました。するとこちらがお礼に出向いたはずなのに、大いに歓迎していただき、たくさんのお土産までいただいてしまいました。
これだけのご恩に僕が報いるには、自分自身がもっとオランダの良さを知り、日本人にもっとオランダへ興味を持ってもらうように何かしら力になっていくことなのかなと感じております。
1600年にオランダ船リーフデ(慈愛)号が大分県で座礁したことで交流が始まり、1609年に日本において最初の商館が設けられ協定が結ばれたオランダ。今年は日蘭外交関係開設150周年、そして来年2009年は通商関係が始まって400周年なのだそうです。
皆さんは「アンネの日記」はオランダで生まれた作品だと知ってました?かの有名なエッシャーやゴッホがオランダ人だと知ってました?ミッフィーの作者は日本人ではなくオランダ人のディック・ブルーナーさんだと知ってました?僕は知りませんでした。完全な知識不足、勉強不足。
オランダサッカーを中心に、今後中林はオランダに注目します。