サッカー批評の最新号「欧州サッカーを疑え!」を読んで個人的に気になった記事をご紹介。
その記事とはイタリアサッカー界の王と呼ばれた男ルチャーノ・モッジのインタビュー。モッジとは2006年に審判買収の黒幕としてサッカー界を追放されたユベントスの元GM。
まず大前提として、僕はイタリアのマフィアにシンパシーを感じ、リスペクトすらしている人間であり、一般的な日本人の考え方と少しずれている部分があると思います。
その僕がこのインタビュー記事を読んでいて、冒頭で日本人の書き手が「彼(モッジ)から学ぶことの無意味さを知るに至った」と突き放してしまうにはもったいないエピソードがこのインタビューにはたくさん詰まっているように感じました。
その中でも特に僕を大きく頷かせたのが下記の一文。
「俺の言う頭の良さとは、単に掟を理解し、素直に言うことを聞くというだけではない。それにもうひとつ、『本来であれば飼いならすことが不可能と思われるほどの“タマ”である』という条件がつく。要するに、男である証がデカイやつでなければならない、と(笑)。そうしたやっかいな連中を束ねてこそ優れたGMである以上、イブラ(ヒモビッチ)にせよダービッツにせよ俺はむしろ歓迎したものだ。単なる優等生の集まりではタフな試合に勝てない」
僕にとってはこの発言の真意こそまさに日本の課題に思えてなりません。
本当の意味での勝ち方を知らない自らも勉強中のどこぞの監督や協会が、自分の言うことを聞く優等生ばかりを集めたところで世界が獲れるわけがない。
組織の大小、監督と選手、組織と個人……そんなのは関係なく強い個性と強い個性をぶつけ合って、切磋琢磨を繰り返す。そういう組織、そういう集団が世界を獲るためには必要なんじゃないだろうか。